★映画データ★
原作:東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」(講談社文庫)
出演者:重岡大毅(WEST.)、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗
監督:飯塚健
主題歌:「FICTION」(WEST.)
公開日:2024.1.12
上映時間:109分
東野圭吾さんの小説原作の映画「ある閉ざされた雪の山荘で」を見に行きました。
普段、映画はあまり見ないのですが、最近気になっているWEST.のシゲ出演とのことで
はるばる映画館に向かうことに。
シゲ、もとい重岡大毅さんの演技をしっかり見るのは実はこれが初めて。
いつもおちゃらけているシゲの演技も楽しみです。
あらすじはこちら↓↓
全員役者、全員容疑者。果たしてこれは演技か、事件か――
劇団に所属する役者7人に届いた、
4日間の合宿で行われる最終オーディションへの招待状。
新作舞台の主演を争う最終選考で彼らが“演じる”シナリオは、
【大雪で閉ざされた山荘】という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件。出口のない密室で一人、また一人と消えていくメンバーたち。
ハピネットファントム・スタジオ映画『ある閉ざされた雪の山荘で』公式HPより
果たしてこれは、フィクションか? それとも本当の連続殺人か?
彼らを待ち受ける衝撃の結末とは――
原作の小説は読んだことはなく、下調べなしの完全初見で見に行きました。
まず、多発的に起こる事象が視覚的にわかりやすい!
山荘の中で行うオーディションを劇団の主宰が見ている、という設定のため
山荘の中には複数の監視カメラがあり、その映像がこまめに入ってきます。
かつ、要所要所で登場人物たちの山荘内の動きが俯瞰してみえるように工夫がされていて、
まるでミステリー小説を読みながら頭の中で想像していることを映像化してくれているような、
自分も探偵役となって物事を整理しやすい、視聴者にやさしい構図だなと感じました。
また、ひとつひとつのトリックは複雑すぎないのですが、
伏線やトリックが何重にも折り重なることで、視聴者を飽きさせず
最後まで「どうなるんだ?」と思考させてくれる展開もすばらしい。
普段ミステリー系統は見ない、という方も楽しめるのではないかなと思いました。
ミステリーの中で役者が役者を演じる、という設定も面白い!
あらすじにもある「果たしてこれは演技か、事件か」という言葉。
最終オーディションの設定が、「山荘内で起こる事件に対して人間がみせる感情を見る。
そして真相を見破ったものを次回作の主役(探偵役)とする」というものなので、
様々な事件に対して、視聴者も「全員が演技しているだけなのでは?」という猜疑心がぬぐえない。
そんな【全員がプロの役者】という設定が、謎解きを複雑化させていて、
作品への没入感をより深めていたように感じました。
重岡大毅の演技がいい!
重岡大毅演じる「久我和幸」は他の6人とは異なり、
「オーディションに参加した唯一の部外者」という作品内では少し異質な扱いをされる役どころ。
どこか不思議で捉えどころのない雰囲気を持ちつつも、他の劇団員の懐に入っていく
魅力的なキャラクターを見事に演じていたように感じました。
私の知るアイドル、重岡大毅はメンバー大好きな5歳児なのですが、
素人感想ですがとても演技がお上手なのだなと、感心してしまいました。
「シゲ、そんなこともできたのね、、」という遠い親戚のような気持ちになりました。笑
主題歌もかっこいい!
エンディング主題歌はWEST.の「FICTION」という曲が使用されています。
実はこの楽曲はフルで聞けていない状態で映画を見に行ったのですが、
イントロがストリングスから入るとてもかっこいい曲で、映画館で聴くととても迫力がありました。
歌詞にも「どこからどこまでフィクション?」というフレーズがあったり、
メロディーも疾走感、異様さがありつつもキャッチーで、とても作品にマッチした楽曲でした。
総括として、、「劇団員のオーディション」という設定を最大限に生かした
ミステリーとしても、群像劇としても、とても面白い作品でした!
どのようにしてこの形にまとまったのか、ぜひ原作の小説も読んでみたいと思いました。
俳優たちが表情で演じていた感情や、私が読み解けなかった深い関係性の描写がある気がするので
原作を読んで、答え合わせがしたいと思います。
★★ここからはネタバレを含みます★★
個人的に気になったのが、作品の中で、はっきりと明言がされていなかった
登場人物たちの関係性について。
重岡大毅演じる「久我和幸」が今回の探偵役となったわけですが、
それ以外の6人は普段から同じ劇団に所属する仲間たち。
同じ劇団内ではよくある友情、敵対、恋愛感情といった様々な描写があるのですが
間宮祥太朗演じる「本多雄一」と森川葵演じる「麻倉雅美」の間にある独特の関係性が気になりました。
3次オーディションの合格者発表の後、失意に暮れる雅美に声をかけるでもなく
他の劇団員とともにその場を後にする本多。
かと思えば本多は下半身不随となった雅美のために
「自分が雅美の足になる」といって今回の3重構造の舞台をセッティングする。
そして物語の最後には一緒に生きようという。
そこには深い愛情があるようなので、きっと他の劇団員には内緒の恋人関係だったのかなと。
この辺りの、愛するもののために尽くす姿は、どこか「容疑者Xの献身」を彷彿とさせました。
私が気になった登場人物たちの関係性が、原作ではどのように表現がされているのか、
小説を読んでその違いを楽しみたいと思います。
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